眼瞼下垂(がんけんかすい)とは、まぶたを開く筋肉である「眼瞼挙筋」と呼ばれる筋肉の働きが弱まることで、まぶたが下がっている状態のことを言います。眼瞼下垂に悩まされている方は、効果的な治し方が知りたいと思うでしょう。眼瞼下垂は、症状の度合いが軽度から重症に分類され、軽度であればセルフケアで治せる場合がありますが、悪化していると自力で治せません。
本記事では、眼瞼下垂の効果的な治し方を症状別で詳しく解説します。眼瞼下垂を治したい方はぜひ参考にしてください。
目次
眼瞼下垂(がんけんかすい)とは、まぶたを開く筋肉である「眼瞼挙筋」と呼ばれる筋肉の働きが弱まったり、その先の挙筋腱膜が伸びてしまう事によって、目が開きづらくなる状態のことを言います。眼瞼下垂になると、視野が狭くなるなど日常生活に支障が出てきたり眠たそうに見えたりするなど、外見にも影響が現れます。
眼瞼下垂になると、身体にあらゆる不調が出ます。まぶたが垂れ下がり、視界が狭くなることで、モノが見づらくなったり目が重く感じたりする症状が代表的なものです。
また、視界が悪いと無理にモノを見てしまうので、無意識におでこの筋肉を使いすぎてしまう結果、見た目にも変化が出ます。眉が上がり、おでこにシワが寄って目の上が窪むのは眼瞼下垂に特徴的な変化です。さらに、おでこの筋肉を使い続けることは、おでこが常に緊張している状態なので、頭痛や肩こりなどを引き起こすこともあります。
そのほか、モノの見えづらさが大きなストレスになり、イライラしたり気分が落ち込んだりと、精神面の症状が出るケースもあります。イライラや落ち込みなどは一見、眼瞼下垂と関係ないように見えますが、眼瞼下垂を治すと改善されるケースがあるのです。
眼瞼下垂は自然に治るものではないので、気になる症状がある人は、放置せずに医師に相談しましょう。
眼瞼下垂に当てはまるかどうかは、目の開き具合を見て簡単にセルフチェックできます。 まぶたが黒目の上部にかかっている場合、軽度の眼瞼下垂と言えます。 さらに症状が悪化して、目の中心にある瞳孔の上部が一部隠れてしまっている場合は、中等度の状態です。 鏡の前で目を見開いたときにどこまで見えているか、チェックしてみることをおすすめします。
眼瞼下垂は、症状の度合いによって最適な治療法が異なります。 軽度の場合は、「切らない眼瞼下垂」と呼ばれる施術方法で改善できる可能性が高いです。 一方、中等度、重度の場合は、切開を伴う施術方法で改善するのが一般的になります。 まずはご自身がどの症状に近いか確認してみましょう。
垂れ下がったまぶたが黒目に少し被さるが瞳孔には被さらない人は軽度の眼瞼下垂です。また、以前よりもまぶたが重くなった感じがする人や二重幅が広くなったと感じる人も、軽度の眼瞼下垂の可能性が高いといえます。
軽度の場合は、まぶたが黒目にかかる程度で生活にほとんど支障が出ないため、放置してしまう人も多いです。
しかし、症状があるにも関わらずそのままにしてしまうと、眼瞼下垂が進行してしまうので対策を取る必要があります。
コンタクトを控えたり化粧でまぶたにダメージを与えないように日常生活でまぶたへ負担をかけないことを意識するだけで、クリニックに行かなくても眼瞼下垂が治る可能性があります。
眼瞼下垂は進行していくものであり、重度になると自力で治せなくなります。そのため、軽度の方は、今のうちからまぶたにかかる負担を減らす行動を取る意識を持ち、ダメージを与えないようにすることが重要です。
垂れ下がった上まぶたが、瞳孔の一部に被さっている状態の人は、中等度の眼瞼下垂です。
中等度になると視界が悪く生活に支障が出るうえに、眠そうな見た目になるなど、外見にも変化がはっきり見られるのが特徴です。
また、視界の悪さにより、何気ない動作でさえ不便に感じることが出てきます。特に、上を見づらくなるため、顎が上がったり、おでこや眉毛に力が入ってしまいます。その結果、おでこや眉毛に力が入り続けてしまい、緊張した状態が続くことで、頭痛や肩こりも出始めます。
中等度の眼瞼下垂は、セルフケアで治すのが難しいので、早めに治療を受けるのがおすすめです。重度の眼瞼下垂に悪化してしまわないように、症状に気付いたらなるべく早めに対策を取りましょう。
重度の眼瞼下垂は、垂れ下がったまぶたが瞳孔を半分以上覆っている状態です。重度になると、日常的な視界の悪さと頭痛や肩こりに加えて、視力が低下する恐れもあります。
また、目の疲れやすさやまぶたがくぼむことでおでこや眉間に深いしわができるケースもあります。さらに、身体症状だけでなく深いしわによって老け顔に悩まされる人もいます。
重度の眼瞼下垂は、セルフケアで治すのが難しいですが、そのまま放置するとさらに悪化してしまう可能性があります。そのため、重度の場合は、早めに医師に相談することが重要です。重度になると、視界の悪さから身の回りの距離感が掴みにくくなり、モノにぶつかって転倒したり交通事故を引き起こしたりするリスクが高まります。
眼瞼下垂の原因には、先天性と後天性のものがあります。先天性は生まれたときからある症状のことで、後天性は、生まれたあとに出てくる症状です。ここでは、眼瞼下垂になる5つのケースを紹介します。
生まれつきによる眼瞼下垂は、「先天性眼瞼下垂」と呼ばれています。先天性眼瞼下垂は、生まれたときからまぶたを開くための筋肉が発達しないのが原因で、両目ではなく片目だけ起こるケースがほとんどです。そのため、生まれたときに周囲の人が症状に気付きやすいのも特徴です。また、まぶたの動きが上手くコントロールできないので、目をつむっているときに白目に見える人もいます。
視力が発達する時期の子どもで先天性眼瞼下垂の場合は、片目だけを使いすぎて視力が低下するケースがあるため、医師に相談することが重要です。成人の場合は、視力の低下が起こらないので、そのままでも問題ありません。
生まれたあとに症状が出る眼瞼下垂は「後天性眼瞼下垂」と呼ばれ、加齢が原因の場合が多いです。加齢による皮膚のたるみや、まぶたを開く筋肉である眼瞼挙筋の筋力の低下などが主な原因です。また、加齢に伴いまぶたの引き上げを促進する挙筋腱膜がはがれたりゆるんだりすることも眼瞼下垂の原因となります。たるんだまぶたが視野を遮ることで、生活に支障が出てきます。
軽度のたるみであれば、二重整形で治せる場合もあるので、まぶたのたるみで視界が悪くなっている人は医師に相談しましょう。
偽眼瞼下垂症(ぎがんけんかすいしょう)とは、まぶたを持ち上げる筋肉や神経に問題がないのに、眼瞼下垂のようにみえてしまう状態のことを言います。皮膚のたるみやまぶたの脂の増加、奥目が原因で、眼瞼下垂のように黒目が覆い隠されている状態です。
偽眼瞼下垂症でも、眼瞼下垂と同様に視野が狭くなるため、視力の低下や頭痛、肩こりといった症状がでる場合があります。見た目にもまぶたが重くなり、おでこのしわが増えるなど、眼瞼下垂と同様の症状が現れることが多いです。
偽眼瞼下垂症の治療は、切開せずにたるみを引き上げる埋没法、余分な皮膚を切除する二重切開術や眉下切開術などがあります。
眼瞼下垂のタイプをご自身で判断するのは難しいので、専門の医師に診断してもらうのがおすすめです。
ハードコンタクトの使用で目に負担がかかり、眼瞼下垂を引き起こすケースもあります。コンタクトレンズを付けているときは、まぶたの裏に刺激を与え続けてしまうため、筋肉や腱膜を消耗させてしまいます。また、まぶたを引っ張りながらコンタクトレンズの付け外しを行うことにより、目に負担がかかり、眼瞼下垂の原因となってしまう場合もあるのです。ハードコンタクトを長年使用している人は眼瞼下垂になるリスクが20倍上昇するというデータもあります。
軽度の眼瞼下垂であれば、ハードコンタクトからソフトタイプに替えると目にかかる負担が減り、眼瞼下垂になるリスクが減ります。ですが、コンタクトの着脱のみでもまぶたへの負担はかかるので、常にコンタクトを使用している人は、ときどきメガネに替えて、コンタクトをする機会を最小限にしましょう。
まぶたの皮膚は体の中でも薄く、デリケートな部位です。そのため、まぶたを擦ったり、長期間アイプチを使用することで、まぶたへのダメージが蓄積し、眼瞼下垂を引き起こすケースがあります。まぶたをよく擦るアトピー性皮膚炎の方は眼瞼下垂のリスクが10倍以上高いという研究結果があります。
アイプチの接着剤は、アレルギーになりやすい天然ゴム成分が使われていることが多く、これが原因でまぶたのかぶれを引き起こすことがあります。そして、かぶれが出ている状態でアイプチを使い続けることで、眼瞼下垂を引き起こす場合があります。
また、まぶたを強く引っ張りながらアイプチを外すことで、まぶたのたるみができて眼瞼下垂になるリスクが高くなります。そのため、アイプチを毎日のように使っている人は、外出時のみに使うなど、使用頻度を落とすことをおすすめします。
まぶたの筋肉トレーニングは、眼瞼下垂を治すための医学的根拠のある方法です。まず、目を閉じた状態で眉毛を下げることを意識し、おでこの力を抜きます。次に、左右の眉毛が動かないようにおでこ全体を手のひらで押さえます。その状態で両目を限界まで見開き、5秒キープしたあと、ゆっくりと目を閉じてリラックスしてください。この方法を1日に数回繰り返すと、眼瞼下垂が治る可能性があります。
目のマッサージは、逆に眼瞼下垂を悪化させてしまう可能性があります。マッサージをするとまぶたの筋肉や挙筋腱膜が傷つき、たるみやくぼみを引き起こす結果、眼瞼下垂がひどくなってしまう場合があるのです。
ネット上には、目のマッサージによって、眼瞼下垂を治す方法が数多く紹介されています。中には、眉下やまぶたの上を押したり引っ張ったりするものもあります。しかし、これらのマッサージは、眼瞼下垂を治すどころか悪化させてしまうので控えましょう。眼瞼下垂に悩んでいる人は、早めに医師に相談し、適切な治療を受けてください。
眼瞼下垂は、自宅でも簡単にセルフチェックできますが、最終的にはカウンセリングで医師に相談するのがおすすめです。自己判断でこれくらいなら大丈夫だと思い、そのまま放置してしまうと、適切な治療を受けそびれてしまうことがあるからです。また、眼瞼下垂だと思っていた症状が、実際には違う病気だったというケースもあります。
眼瞼下垂は、少しずつ進行していくため、軽度の場合は本人が気付かないこともあります。
周りにいる人に、「眠たそうに見える」「まぶたが下がっている」と言われたら、1度医師に診てもらうとよいでしょう。
眼瞼下垂は、放置しておいて自然に治るものではありません。そのため、症状に気付いたら、自己判断だけで終わらせずに、早めに医師に相談して正確に診断してもらうことが重要です。
眼瞼下垂に効果のある美容整形は、「切らない眼瞼下垂」や「切開式眼瞼下垂」です。
眼瞼下垂に悩まされている人は、そのまま放置しないで、早めに美容整形で治しましょう。
切らない眼瞼下垂とは、切開をせずにまぶたの裏側の眼瞼挙筋と瞼板(けんばん)を糸で固定して縫い縮める施術(挙筋前転)です。目の開きを改善しつつ二重も作れる施術です。切開しないのでダウンタイムが少なく済みますが、効果は永久ではないというデメリットがあります。
施術後には目の開きがよくなり、一重の状態からぱっちりした二重を手に入れられます。また、黒目が見える範囲が大きくなるため、眼瞼下垂による視界の悪さも改善します。切らない眼瞼下垂は、ダウンタイムを短く眼瞼下垂を治療したい人や軽度眼瞼下垂の方におすすめです。
切らない眼瞼下垂 | 切開式眼瞼下垂 | |
施術対象 | 軽度眼瞼下垂 | 中等度~重度眼瞼下垂 |
施術効果 | 永久ではない | 半永久 |
ダウンタイム | 1~2週間 | 3~6カ月 |
切開式眼瞼下垂では、まぶたを切開してゆるんでしまった眼瞼挙筋や挙筋腱膜を瞼板に引き寄せ、縫い縮めて固定することで、目の開きを改善しつつ二重まぶたを作ります。切開して直接まぶたの内部構造を変えるので半永久的な効果が得られますが、完成までは3~6カ月とダウンタイムが長くなります。
「切開式眼瞼下垂」は「切らない眼瞼下垂」に比べて目の開き加減が調節しやすく、中等度~重度眼瞼下垂の方におすすめです。ダウンタイムが長くても良いから目の開きを根本的に毛改善したいという方は検討してみましょう。
当院では、「切らない眼瞼下垂」と「切開式眼瞼下垂」のどちらの施術も対応可能です。
患者様の症状を正確に診断したうえで、適切な治療を提案いたしますので、安心してお任せください。
施術時間 | 15分程度 |
痛み | 局所麻酔の痛みのみ(施術中の痛みはほとんどありません) |
通院の頻度 | 必要なし |
完成目安 | 1ヶ月程度 |
持続期間 | 5年程度(まぶたの状態によってかなり個人差があります) |
切らない眼瞼下垂の施術時間は、15分程度です。施術前には局所麻酔を使用し、麻酔が効いた状態で施術を行うので、痛みはほとんどありません。施術をしてから1ヶ月程度で完成し、持続期間は5年程度です。
この施術は、切開をしないためダウンタイムが短く手軽に受けやすいのが魅力です。
当院では、ダウンタイムを最小限に抑える工夫をしているため、内出血が少なくダウンタイムは1〜2週間で終わります。また、麻酔液に血管を収縮させる薬を混ぜ、ゆっくりと時間をかけて麻酔を行って内出血を減らしています。
切らない眼瞼下垂は、ダウンタイムを抑えたい方や軽度眼瞼下垂の方におすすめです。
施術時間 | 1時間程度 |
痛み | 局所麻酔の痛みのみ(施術中の痛みはほとんどありません) |
通院の頻度 | 1週間後に抜糸の必要あり |
完成目安 | 3ヶ月程度 |
持続期間 | 半永久的 |
切開式眼瞼下垂は、上まぶたの皮膚を切開して、目を開ける筋肉を縫い縮めることで、目を開きやすくする施術です。
目の開きを改善するのと同時に、患者様の希望に合わせた二重にすることができます。
施術時間は1時間ほどで、傷跡が落ち着くまで2週間ほどのダウンタイムがあります。
傷跡が完全に治るのは、およそ3ヶ月程度です。
切開式眼瞼下垂の持続期間は半永久的となりますので、眼瞼下垂が中等度~重度で、持続期間を重視したい方に適した施術です。
詳しくは切らない眼瞼下垂ページをご覧ください。
ここまで、眼瞼下垂の症状や度合い、原因のほか効果的な治し方を詳しく解説しました。
眼瞼下垂といっても、軽度から重度に分類されるため、症状の度合に合う適切な治療を受けなければ治すのが難しいです。軽度の場合は、目のトレーニングで治せる場合がありますが、悪化している場合は美容整形でなければ治すのが難しいです。
眼瞼下垂は、ただ治すだけではなく、仕上がりの美しさも重要です。当院は、目元に特化したクリニックで、患者様の目の状態を正しく診断し、眼瞼下垂を治すとともに仕上がりにもこだわります。経験豊富な医師が施術以上の時間をかけて、シュミレーションを繰り返し、患者様に納得いただいてから施術を行います。眼瞼下垂を治して美しい目元を手に入れたい方は、まずは当院の無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。